Rinrinviaje’s diary

スペインの暮らし。世界25ヶ国108都市を旅し、バルセロナ留学・ワーホリ・院進学を経験。各国のお役立ち情報や魅力を紹介をします♡

バルセロナ大学(UB)大学院の臨床フィトテラピー学科に進学!

こんにちは!りんりんです♪

今日は、バルセロナ大学(UB)大学院の臨床フィトテラピー学科に進学中の経験談を紹介します。

 

*スペインの大学院ってどんな感じ?

バルセロナ大学の大学院への進学方法は?

*臨床フィトテラピー学科の授業内容は?

 

といった疑問にお答えします!

 

 

バルセロナ大学とは?

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スペインの国立大学。2022年の世界ランキングでは193位、スペイン国内ではTOPの大学です。特に有名なのは医療、バイオメディカルの分野で、世界ランキングで70位前後にランクインしているそう。そんなバルセロナ大学の大学院で、ひょんなことからフィトテラピー(植物療法)を学ぶことになったのでした。

 

UB臨床フィトテラピーコースで学べること

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そもそも、フィトテラピーとは何なのか?馴染みのないものだと思います。フィトテラピーとはギリシャ語で「植物療法」という意味。植物が持っている薬効をつかって心身のケアをする、ヨーロッパの伝承療法です。

古来より、ひとびとは身近な植物を使って病気や怪我のケアをしていました。薬と比べると即効性はありませんが、自己治癒力を高めながら体のケアができるため、病気の予防やちょっとした不調のケアに有効です。また治療費が高い時に植物ベースの製剤を代替薬として選択できるというのも魅力。日本では手に取れるものが少ないですが、バイオ意識の高いヨーロッパではたくさんの植物薬が治療に認められています。


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そんなフィトテラピーを、ヨーロッパで学んでこようというのが私の目的です。バルセロナ大学、通称UB(ウベ)の臨床フィトテラピー学では、Master(2年)とPostgraduate(1年)があり、両方とも大学院レベルの内容です。MasterはPostgraduateの2コースを合わせて2年間、卒業時の学位が修士号取得となります。Postgraduateは2コースのうちのひとつを選択し、1年間となります。

 

2つのコースは、「Fitoterapia, plantas medicinales y salud(フィトテラピー、薬用植物と健康)」と「Firoterapia Clínica(臨床フィトテラピー)」です。違いは、ホリスティックな内容か、臨床に基づくより専門的な内容か、ということ。

私は日本でフィトテラピーの勉強をかじっていたので、より専門的な臨床フィトテラピー学を学ぼうと決めました。

 

日本からオンライン授業に参加

バルセロナ大学はオンラインでの授業を展開しているため、日本から受講が可能です。このご時世、日本にいながら・社会人で仕事をしながらでも授業を受けられる、便利な時代になって嬉しいですね♡

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オンライン授業というのは、動画受講するわけではないので、時差は関係ありません。授業で出される資料と文献を自分で読み進めながら、課題の論文を提出していく「自学自習」のスタイルです。教授やクラスメイトとはチャットを使って議論をしていきます。スペイン語での授業ということだけあって、アジア人は2人だけ。スペイン人か南米の人が多数です。

論文は1週間〜3週間に1本のペースで出さなければならず、かなりのハイペースで進めなければなりません。

 

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授業の内容は、代表的な病気とそれに対する植物の処方を網羅するような感じ。これまで受講した内容は、「うつ病」「睡眠障害」「認知機能障害」「運動機能障害」「呼吸器疾患」などです。私は医者ではなく「セラピスト」といった感じなので、病気の判断がとても難しいのですが、処方を選ぶ時に知っている植物がたくさん登場するのでおもしろい♡

道に生えてる雑草がだんだんとお宝に見えてきます。笑

 

現地での実習プログラム

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今はまだ日本から受講をしていますが、バルセロナに行けば、現地での実習プログラムにも参加ができるようです。

植物療法学は抽出物などの植物製剤を扱うので、実習プログラムではおそらく抽出方法とか?実験?それとも実際に処方の練習をするのか...?と、勝手に想像をしていますが、どんな内容なのかはまだわかりません。

今年の9月から、実際にバルセロナに行って現地のプログラムにも参加してみたいと思います。現地の植物薬局にも足を運んで、どんな種類の製剤が置いてあるのかもチェックしたい♪

 

入学条件

バルセロナ大学に入学するためにはどんな条件が必要でしょうか?

私が選んだ臨床フィトテラピー学科では、スペイン語レベルはDELE B1以上が必要です。スペイン語力は、電話での面接で確認されました。

その他に必要なのは、学びたい学科の内容と自分の学歴・職歴・卒業学部が関連していること。フィトテラピーを専攻する上で必要なバックグラウンドは、「健康」に関する分野です。おそらく、医学部、薬学部、栄養学系の分野であれば受講できます。

 

私は全く関係ない学部で勉強をし、全く関係ない仕事をしていたので、最初は「Fitoterapia, plantas medicinales y salud(フィトテラピー、薬用植物と健康)」のコースしか受けられないと言われました。しかし、コーディネーターさんが大学側に交渉をしてくれて、運良く条件つき入学*をさせてもらいました。(*後ほど説明。)

私の大学の学部は環境情報学部、職歴は教育分野。フィトテラピーとは全く関係のないバックグラウンドです。そもそも、日本にフィトテラピーがないから仕方ない!笑

 

授業料

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ヨーロッパや海外の大学は、国立であれば日本の大学よりも学費が安い場合があります。今回の臨床フィトテラピー学科は1年で37ユーロ(約40万)でしたので、社会人になってから働いて貯めたお金を、授業に使うことにしました。

 

私の受験体験談

受験期間は1週間。Whats appで電話面接。

通常、海外の大学院を受験するためには半年ほど前から準備することが多いようですが、私の場合はふと見つけて問い合わせてみた時に、あっという間に話が進んで受かってしまったという不思議な展開だったので、1週間ほどで受験が終わりました。笑

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問い合わせをしてから、Whats Appという海外のアプリ(LINEみたいなもの)で現地のコーディネーターさんとのやりとりがはじまりました。毎日仕事が終わってからチャットをしていましたが、日本の夜はスペイン時間のお昼頃なので、ちょうどいいタイミングでやりとりができました。

 

その後、「スペイン語レベルなどを知りたいから電話で面接できる?」と聞かれ、ちょうどその時に電話ができる時間だったので、「今できる」と返事をすると、その場ですぐに電話がかかってきました。(「今」というのが、スペインあるあるすぎる。笑)

電話では、根掘り葉掘りこれまでの経歴について一通りのことを聞かれました。

 

そして最後は私からコーディネーターさんへの質問タイムになりました。質問タイムでは、社会人でもやっていけるかという不安や、日本からの参加で授業時間は大丈夫なのかという不安に対して、丁寧に答えていただきました。スペインでの仕事探しに役立つのか、現地の実践研修に参加できるのか、なども質問しました。

 

学生VISAの発給ができるのかということも確認しました。なぜなら、学生VISAが使えるのであれば学生VISAで入国し、一時帰国後にワーホリVISAに切り替えてより長くスペインに滞在できるからです。しかし、オンライン授業の場合は学生VISAの発給はないということでしたので、VISAは変わらずスペインワーホリVISAを使うことにしました。

 

 

条件付き入学

本来、私のバックグラウンドであれば、臨床フィトテラピー学のコースは受けることができないと言われたのですが、コーディネーターさんが色々と交渉をしてくれたようで、条件つき入学を提示してくれました。

それは、卒業時に授与される証書が「修士」ではなく「Diploma Superior Universitario(高等大学卒)」という学位になるというものでした。これは学部と院の隙間くらいの学位。笑
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授業内容は大学院と一緒なのですが、私は卒業する際に院卒ではなく、謎の「高等大学卒」になるということです。私は、臨床フィトテラピー学の内容そのものを勉強したいという気持ちが強かったので、称号は気にせず条件付き入学を選択しました。

 

スペインは資格社会ですので、仕事を探す際にもスペインの大学の卒業資格はとても有利になります。実践に近いかたちでフィトテラピーの学びを得て、フィトテラピストとしての仕事を見つけたいという気持ちで、やってみることに決めました。

 

実際の授業の様子

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授業がはじまると、想像をはるかに超えて難しい内容で、1つ目の課題からいきなり挫けそうになりました。

どんな課題が出るのかというと...

うつ病に対する植物の処方」というテーマでは、セントジョーンズワートと薬の相互作用についての課題がありました。作用のメカニズム、薬と併用した場合のリスクなどを、複数の論文を読んでまとめる課題です。抗うつ薬経口避妊薬、抗HIV薬などが取り上げられ、いきなり医学用語・研究用語・統計学のオンパレードで挫けそうになりました。。。

さらに、課題提出の締め切りが早いので、毎日深夜まで、論文を読んではまとめる作業に全力投球していました。

 

スペイン語と英語を使って課題を進めますが、幸いなことに「動画」ではなく「テキスト」だったことで、Google翻訳にぶちこむことができて救いになりました。笑

 

はじまってすぐに挫折しかけた私は、しょっぱなからコーディネーターさんに「やっぱりできない。コースを変更したい。」と弱音を吐きました。すると、「内容がとてもいいから、頑張れそうならもう少しやってみてほしい!」と言われ、離脱できない状況に。その後もこまめに様子伺いの連絡をくれるので、励まされながらなんとかやってこれました。授業を進めるうちにだんだんとこの内容にも慣れてきました。

 

授業受けていて感じるメリットは、指導してくれる教授陣がみんなお医者さんなので、病気に対する処方について専門的に学ぶことができること。ヨーロッパの最新情報も得られること。この数ヶ月でも、実践に近い処方をたくさん学ぶことができました。

また、バルセロナ大学の卒業資格はスペインでの仕事探しに有利になること。そして、大学生の特権を使って、仕事探しの斡旋を受けられるということです。

 

しかし、現地での仕事はまだできなそうなので、スペイン語をもう少しがんばらないといけません。

 

これからどうなる?!

現在は、スタートしてから4ヶ月が経過し、三分の一が終わりました。まだまだ授業は続きますので、無事に卒業して仕事をゲットできるように、コツコツと頑張りたいと思います。

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学んでいくと、日本でも心身のケアに有効な植物ベースのサプリメントがけっこうあることがわかりました。不調を感じた時、対処療法として薬を飲んでも、根本治療にはなっていないことがよくあります。そんな時に、自己治癒力を高められる植物製剤はとても役に立ちます。

不調を感じた時に、植物を手に取って自分でセルフケアができるように。

これからアドバイスやカウンセリングをしていきたいな〜と思っています。気になる方は、ぜひコメントをください♪

(もちろん、スペインについての質問やご相談も大歓迎!)

 

スペインに行ってからの今後の展開も、またレポートしていきたいと思います!