07 | Febrero
「スペインの宗教は何?」と聞かれることがよくあります。その多くはローマ・カトリック教会で、ミサや洗礼など、生涯に渡ってキリスト教文化に基づいた習慣とライフイベントの祝福が行われます。しかしながら、長い歴史を振り返ると、スペインはケルト、ギリシャ、ローマ、西ゴートなど、東方から民族が移入し、8世紀からレコンキスタ(領土回復)が完了する15世紀末までは、長い間イスラム教に征服されていました。こうした歴史的背景により、スペインの文化はイスラム教の文化なしには語ることはできません。
例えば、その痕跡が残されている文化のひとつが建築です。スペイン南部のグラナダには、スペイン最後のイスラム王国として、イスラーム建築様式のアルハンブラ宮殿が残されました。アラベスクと呼ばれる幾何学模様のタイル装飾や色彩が、エキゾチックな異世界へと私たちを惹き込みます。
コルドバにあるメスキータ(大モスク)には、イスラム教の聖堂であるモスクに、通常はないキリスト教の大聖堂と鐘が建設され、イスラム教とキリスト教が融合した建築物が残されています。
その他にも、音楽、天文学、医学、食文化などさまざまな面でイスラムの影響を色濃く受けたスペイン。至る所で垣間見えるスペインならではのエッセンスに、奥深い魅力を感じるのでした。
▼日本でも楽しめるスペイン文化
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