
22 | Marzo
スペインで暮らし始めて、ちょうど1年半が過ぎました。バルセロナに住んでいるなんて、とてもキラキラしたように思えるけど、慣れてくるとそのキラキラ感も普通になってしまう。私の今の仕事はハイブランドバイヤーなので、周りからはとにかくキラキラしているように思われるのですが、日々の生活は至って「普通」です。週5日勤務で、朝は7時半に家を出て、8時半から仕事を始め17時半に退勤。残業がないのがスペインのいいところだけど、家に帰ってからも遊びに行くわけでもなく、毎日夜ごはんと次の日のお弁当をまとめて作って、夜はゆっくりとした時間を過ごしています。

休日はというと、もともとスペインでやりたかった植物療法の活動を細々とやっていて、ハーブのワークショップを開いたり、バルセロナのハーブ薬局ツアーを開催したりしています。仕事にしたいと思っていたことも、実際には実現が難しいこともたくさんあります。思い通りにならないから人生はおもしろいのですが、でもやっぱり「こうしたかったのにな」と思うことだってたくさんあります。

海外に住めば、毎日が旅行気分で楽しくて、どんなに充実しているんだろうと思うかもしれませんが、やっぱり暮らしは暮らし。毎日は意外と地味な積み重ねなのです。そして、現地の人と友達になるのはとても難しい。これは留学していた時から感じていたことで、スペインに限らずどこの国でも話題になることです。海外で暮らすということはそういうことなのだと思います。立ち話ができる知人はたくさんできますが、一緒に遊びにいくほどの仲になれるかというと、そうでもない。キラキラした生活を思い描いてここに来た日本人も、どんどん帰ってしまいました。「スペインしんどい」と言ってワーホリを早めに切り上げて帰っていった後輩たちを何人も見送ってきました。昨年できた私の友達は、ワーホリ友達がほとんどだったので、これまで友達になった日本人はほとんど帰ってしまいました。今年の目標は在住友達を増やすことです。(笑)そもそも、VISAが取れずに残りたくても残れない人もたくさんいます。やはり、海外で暮らしていくのは簡単ではないなと思います。

そんなキラキラしない海外生活で、何が私をここに残らせているのか。まず一つはスペイン語です。なぜだか説明はできないけど、私はずっとスペイン語が好き。それはきっと、その先に繋がるスペイン語圏の明るい人々とのコミュニケーションがあるからなのだと思っていますが、毎日暮らしていると毎日新しい表現を覚えることができて、日々成長を感じられます。この1年半で私のスペイン語はかなり上達しました。友達からは「りんりんのスペイン語レベルはC1くらいはあるよ」と言われてとても自信になりました。A1→A2→B1→B2→C1→C2の6段階のうちの上から2番目です。これはやっぱり日本にいたらここまで上達させることはできなかっただろうし、スペイン語が好きというだけで毎日の中に喜びがあります。

そしてもう一つは、日常の暮らしが全てカルチャーショックということ。それが辛いという人もいると思いますが、私にとってはそれが楽しいポイント。海外で暮らす1年は、自国での3年分に値するという話を聞いたことがありますが、確かにそれくらいの強度はありそうな気がしています。(笑)全てが新しい考え方、異なるルールで社会が動いているので、とてもおもしろいです。最近、私が習得したのは「強く主張する」ということ。スペイン人は日本人と比べると仕事がとにかく適当なので、怒るくらい強めに主張しないと動いてくれないことがあります。しかも、怒られても落ち込んだりガックリすることはなく、普通にケロッとしているし、そのあと普通に仲良くもなれます。だからこそ、きちんとしてくれない人に対して強めに主張することはとても大切。こちらに対してもキッパリNOと言われることもあるので、そこで折れずに折衷案を議論するくらいの強さも必要です。これはスペイン人と仕事をするには必須のスキルだと感じました。
最後に、ここでの暮らしで心の支えになっているのは、定期的に日本や他国からバルセロナにやってくる知人・友人の存在。なんと昨年は、ほぼ毎月誰かがバルセロナに旅行に来て、その度に私に連絡をくれたので、寂しさを感じる瞬間がほとんどありませんでした。日本にいたらわざわざ会わないような距離感の人でも、バルセロナだとやっぱり特別になるし、5分でも10分でも会おう!とお互いにモチベがアップするので、むしろ日本にいる時よりもいろんな人に会えているのではと思うことすらありました。

そんなこんなで、最近はキラキラしていない海外生活を送っていますが、これはスペインの暮らしに慣れた証拠だということにしておきます。特に今年は、去年とは違って暮らしの土台を築いていきたく、旅行や遊びも控えめになりそうです。どこの国に住んでいたって実はあんまり変わらない日々の暮らし。でも、だからこそ、かけがえのない日々の小さな喜びを感じられるのだと思います♪